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日本初、野菜摂取量の改善をスコアで‘‘見える化‘‘ ベジメータⓇの月1回測定と簡単な食育で、約8割の人が改善(3ヶ月) これまで困難とされた野菜摂取量の改善が可能に!

2020/12/16

アルテック株式会社 (本社:東京都中央区、代表取締役:張能 徳博 (ちょうのう のりひろ)、東証一部上場: 証券番号9972、以下アルテック)は、ベジメータ®を用いた国内初の野菜摂取量改善試験において、野菜摂取量をスコアで可視化することで、月1回3ヶ月間の測定と簡単な食育だけで、約8割の人の野菜摂取量が改善することを確認しました。

野菜が身体によいことはよく知られており、新聞、雑誌、テレビでは連日野菜の重要性が紹介され、政府、自治体や企業も国民の健康増進のために野菜摂取を促すイベントやキャンペーンを開催しています。しかし、そのような情報発信にも関わらず、日本人の野菜摂取は厚労省の推奨量1日350gに達していません(平成30年国民健康栄養調査では平均269.2g/日)。 特に若年・中年層の野菜・果物不足は深刻です。これには生活環境や経済状態など様々な要因が考えられますが、なかでもひとつの大きな要因として、ふだん摂取している野菜の量が自分にとって適正かどうかがわかりにくいことが挙げられます。栄養調査では毎日の食事内容を記録して栄養士が摂取量を分析しますが、時間と労力の観点からだれもが受けられる方法ではありません。また、栄養教育プログラムや栄養指導によって野菜摂取が一時的に増加しても、野菜摂取量の増加や継続は難しく、習慣として根付くのは大変です1)。

国民の野菜不足を解消し、健康長寿社会形成の一躍を担うべく、アルテックは、2019年5月に日本で初めて、野菜摂取量を簡単に数値として見える化できる装置、ベジメータ®の国内販売を開始しました。発売以降、ドラッグストア、スーパーマーケット、健康食品・化粧品メーカー(百貨店)、調剤薬局、整体院などの店舗をはじめ、飲料メーカー、食品メーカー、野菜種苗企業、健康診断施設、医療機関、研究機関、健康経営企業 、自治体等で、多数ご採用、ご活用を頂いただいております。
また、研究活動も活発に行われており、日本のみならず、世界の国々で、医学・栄養学分野での科学的研究に使用されています。

ベジメータ®は、従来の食事調査や血液検査に頼らない、「野菜摂取量を評価する装置」としてその有用性が評価されました。

カリフォルニア大学デービス校とアメリカ合衆国農務省の研究者らは、光学的皮膚カロテノイド測定に関する科学論文(54文献)のシステマティック・レビュー2)を行い、光学的皮膚カロテノイド測定装置が、従来から行われてきた食事アンケート調査や血中の野菜成分を測定する方法と同様に、野菜摂取状態を正しく評価できることを示しました。このレビューで有用性が認められた光学的皮膚カロテノイド測定装置は、Longevity Link Corporation社が特許に基づき開発したベジメータ®(反射光分光法装置)とバイオフォトニックスキャナー(ラマン分光法装置)のみで、国内で販売されているのはベジメータ®だけです。

日本国内のベジメータ®研究

2020年8月に開催されたB-ROPs研究会(レドックス・酸化ストレス・フィトケミカルズ生体計測研究会、代表:島根大学医学部眼科教授谷戸正樹)において、ベジメータ関連の演題が発表されました。聖隷浜松病院眼科尾花医師は、聖隷健康診断センターと共同で行った人間ドック受診者1,240人を対象とした研究で、「メタボの人はベジスコアTMが低く、運動、睡眠、飲酒、食習慣の優れた人ほどスコアが高いこと」を明らかにしました。国立健康・栄養研究所岡田研究員は、東京都と山梨県で実施した研究結果(524人)から、「ベジスコアTMは自己申告による野菜摂取量と相関し、他の疫学研究報告のように、野菜・果物の摂取量は20歳代で低く、60~70歳代で高いこと、地域差があること」を報告しました。また、兵庫医科大学臨床疫学武内医師は、「小学5年生315人の調査を実施し、成人と同様に小児にも使えること」を報告しました。その他、聖隷浜松病院眼科尾花医師は、眼科用ルテインサプリメントの効果をベジメータ®を使用して証明しています3)。

ベジメータ®を活用すれば、少ない労力で、野菜摂取量の改善できました。

海外では、ベジメータ®の使用で野菜摂取量が改善されることが複数の研究が示されていますが4),5)、国内では初めて、2つの異なる地域(神奈川県、滋賀県)と職域(公務員、企業従業員)において調査が行われました。

神奈川県自治体職員を対象とした試験

都内某大学研究者らは、神奈川県自治体職員162人(男性50人、女性112人、21-69歳、平均年齢46.1歳)に対して、月1回のベジメータ®測定と簡単な食事指導を3か月間実施し、野菜摂取量が改善するかどうかを調査しました。この試験で行ったのは、ベジメータ®の測定と簡単な食事指導のみです。
食事指導は、日本人の野菜摂取量目標350gを示し、1日5皿(1皿70g)を毎日摂ることを紹介し、測定されたべジスコアTM(0~1,200)をA~Eの5段階で評価し、示された不足する皿数(C判定では1皿)を毎日意識して摂ってもらうよう、1人あたり4~5分程度の簡単な食育を行いました。1か月毎の再測定時には、野菜摂取管理手帳により、前回の測定時との比較を行い、べジスコアTMの変化によって、野菜摂取量改善の程度を確認しました。

【結果】
試験期間中、複数回測定を受けた職員は、162人(男性50人、女性112人、21-69歳、平均年齢46.1歳)でした。その観察期(初回測定)べジスコアTMの平均は372で、試験終了時は429に上昇し、約7割の人の野菜摂取量の改善が確認されました。
3か月(4回)連続測定をした人(46人)は、観察期平均べジスコアTM 369から終了時462に改善し、反復測定と指導によりスコアが統計学的に有意に増加することが証明されました(p<0.0001, ANOVA)。また、多重比較でもすべての月の間で有意な増加があり(P<0.005, Bonferroni)、スコアは月毎に改善して、最終的に8割以上の人の野菜摂取量の改善が確認されました。

また、判定の推移をみると、「推定野菜摂取量350g以上」のA判定の割合は、試験前は全体の20%でしたが、3ヶ月後の試験終了時には、半数(50%)の方がA判定になりました。一方で日本人の平均値以下と考えられるD・E判定の割合は、指導前22%でしたが、3ヶ月後には2%に減少しました。なかでも「非常に野菜が不足していた」E判定の4人は、最終的にAが1人、Bが2人、Cが1人となり、野菜不足に気づいて、食生活を大きく見直されたことがわかります。

野菜摂取状況を判定するだけ(気づきを与えるだけ)では、野菜摂取量は改善しない

ここで測定を繰り返すことの重要性を示すデータをご紹介します。本試験では業務の都合で毎月の測定が行えずに2か月以上間隔のあいた方も多く、そこで、3か月間毎月測定の行えた方と行えなかった方の観察期と最終測定時のべジスコアTMの改善率を比較しました。連続測定を行えた人(46人)の平均改善率は32%にあったのに対し、行えなかった人(116人)は16%で、有意に連続測定者の改善率が高い(0=0.008, t-test)ことがわかりました。

1回きりの測定で、野菜不足を自覚しただけでは行動変容はなかなか根付きません。繰り返し測定すると効果が数値になって表れ、自分の努力の結果がはっきりと実感できます。人は自分の行動を褒めてもらうとうれしくなり、さらにやる気がおきるのではないでしょうか。ただし、継続にはモチベーションの維持が重要です。今回のように、自己のべジスコアTMのゴールを設定し、定期的に繰り返し測定することで、モチベーションが維持され、良好な成果につながると考えます。

さらに、今回の試験で特筆すべきは、ごく簡単な食事指導しかしていないことです。病院、人間ドック、健康セミナーでは、栄養士によるていねいな食事指導が行われますが、それでもなかなか行動変容にはつながらないとされます。しかし、ベジメータ®で自分の状態が明確に数値化されると、他者との比較から、人が本来持つ「競争心」を掻き立てる可能性があります。さらに、食生活改善を努力した結果が数字で明確に表現されると「成功体験」が得られ、それが周りに伝搬し、自分にもうまくできそうだという「モデリング」に繋がり、このような「簡単な食事指導」にも関わらず、非常に良好な結果を得られた理由と考えています。

野菜補助食品としての野菜ジュースはメーカーによって効果に差があるのかもしれません。

ベジメータ®の測定により、「非常に野菜が不足している」と判定されたE判定の方は、野菜ジュースも上手に利用して、野菜を食べる習慣をつけるよう食事指導がなされました。
野菜ジュースを飲用している人は、していない人よりベジスコアTMが有意に高値でした。さらにA社のジュースを飲用している人とB社を飲用している人に分けると、A社の愛飲者は野菜ジュースを飲用してない人より有意(P= p=0.043、多重検定Bonferroni)に高値でしたが、B社の愛飲者は飲用していない人と差がみられませんでした。(P=1.000、同)
すなわち、A社のジュースは皮膚カロテノイド値の改善効果があるのに対して、B社のものは効果があまりないという結果でした。これには野菜ジュースに含まれる栄養成分の量や種類が関係している可能性があり、今後、さらに検討が必要と思われます。

試験参加者の声

試験最終日に参加者にいくつかの質問をしました。試験最終日に参加者にいくつかの質問をしました。① 野菜摂取を増やすために意識されたこと、工夫されたことは何ですか?「野菜の量・種類を増やすよう心がけた」、「緑黄色野菜を多く食べた」、「毎日(毎食)必ず野菜を取り入れた」、「野菜ジュースを飲むようにした」など。② ベジメータ®で野菜摂取状況を継続して測定したことについてどう思われますか?「野菜摂取に対する意識が変わった」、「日常生活において意識して行動した結果が、実際にスコアとして可視化されるので、モチベーションが向上し、継続的に取り組むことができた」、「スコアがあがるのでうれしかった、楽しかった」など。これらの回答からも、ベジスコアTMの改善が、ご自身の「成功体験」として野菜摂取量の増加、維持に繋がったことが確認できます。
以上から、ベジメータ®の月1回の測定とその判定に基づく簡単な指導で、野菜摂取量が改善され、しかもそれが継続できることがわかり、ベジメータ®の有用性が示されました。なお、行動変容ステージや自己効力感(セルフエフィカシー)の詳細は、現在都内某大学で解析中であり、今後、学会で発表される予定です。

 滋賀県の企業社員を対象にした試験

株式会社平和堂様と共同で、本社従業員88名(男性〇〇、女性〇〇、平均年齢〇〇歳、平均べジスコアTM337.0)に対して、神奈川県と同様な内容で、同時期に、短期間(3週間)の野菜摂取量改善試験を行いました。(E判定の方には、既に2週間で有意なベジスコアTMの改善が認められている野菜ジュース4):1日分の野菜/伊藤園を任意で推奨しました)
神奈川県の試験では平均べジスコアTM374.2であり、日本人平均べジスコアTM343より高い集団でありましたが、この試験では337.0とそれよりやや低い集団の試験になりました。

【結果】

株式会社平和堂様と共同で、2020年10月に本社従業員125人に対して、初回と3週間後の2回測定を行いました。測定時には前記と同様に簡単な食事指導を行いました。なお、E判定の方には、2週間で有意なベジスコアTMの改善効果が認められている野菜ジュース6)(1日分の野菜:伊藤園)の飲用を紹介しました。
【結果】
2回測定した人は88人(男性28人、女性60人、29-76 平均年齢50.3歳)でした。これらの初回べジスコアTMは平均337で、3週後は407となり統計学的に有意に増加し(p<0.0001, paired t-test)、全体の90%の方で野菜摂取量が改善しました。また、他の報告のように非喫煙者は喫煙者より有意に良好な値を示しました。
A判定(類推摂取量350g以上)の割合は14%から28%に増え、日本人の平均以下のD・E判定の割合は39%から9%に減りました

使用したベジメータ®は、「野菜摂取量の評価」に使用できることが、多くのエビデンス7)(科学的根拠)に裏付けられています。特許技術により野菜摂取量と相関性が高い皮膚カロテノイド量だけを測定し、野菜とは関係のない血液(ヘモグロビン)、肌の色(メラニン色素)の影響を全く受けず、高精度で、定量的に迅速(10秒)測定8)します。従って、このように野菜摂取量の変化を3週間という短い期間でも捉えることができました。(海外では、2週間以内に捉えると報告4)されています)

今回ご紹介しました2つの試験から、ベジメータ®測定を行うことで、人は行動変容を起こして、これまでは困難とされた職域での野菜摂取量の改善9)を、日本で初めて、比較的容易に達成できることが判明しました。
ただし、重要なことは、1回きりの測定で終わるのではなく、定期的に測定を繰り返すことで、食生活習慣改善の「成功体験」を重ねて、モチベーションの維持を促すことと考えます。
1回の測定会イベントも、野菜不足の“気づき”を提供する大切な場ですが、必ずしも野菜摂取量の増加に至らず、継続的に測定することで良い生活習慣が身に着くものと考えます。

また今回の簡単な食育の内容は、本年2月に発売したベジメータ®SC/セルフチェックのアプリケーションに組み入れられています。従って、特別な栄養指導を必要とせず、毎月1回ベジメータ®で継続的に自己モニタリングする環境があれば、誰でも簡単に、野菜摂取量の改善ができるものと考えています。
アルテックは、より多くの国民の方々が、野菜摂取量改善のために、日々自身の測定を行い、下記に示したベジメータ®を使用した野菜摂取量改善のPDCAサイクルの普及に努めていきたいと考えております。

1)  信田幸大ら、勤労者を対象とした栄養教育プログラムが野菜摂取行動に及ぼす効果 78:5 210-222 (2020)
2)  M. D. Radke et al, Criterion-Related Validity of Spectroscopy-Based Skin Carotenoid Measurements as a Proxy for Fruit and Vegetable Intake: A Systematic Review. Advances in Nutrition Sep 1;11(5):1282-1299 (2020)
3)  Obana A, et al. Effect of an antioxidant supplement containing high dose lutein and zeaxanthin on macular pigment and skin carotenoid levels. scientific reports 24 June (2020)
4)  L. Jahns et al, Skin and plasma carotenoid response to a provided intervention diet high in vegetable and fruit. American Journal of Clinical Nutrition Sep;100(3):930-7. (2014)
5)  A L Bakirci-Taylor et al. mHealth Improved Fruit and Vegetable Accessibility and Intake in Young Children. Journal of Nutrition Education and Behavior May;51(5):556-566 (2019)
6)  株式会社伊藤園調べ
7)  I V Ermakov et al. Optical assessment of skin carotenoid status as a biomarker of vegetable and fruit intake. Archives of Biochemistry and Biophysics 646;46-54 (2018)
8)  Longevity Link Corporation – Home page: http://www.longevitylinkcorporation.com/publications.html
9)  澤田樹美ら 職域における野菜摂取増加を検証した栄養・健康教育のシステマティックレビュー 日本健康教育学会誌 20:3-18 (2012)

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